Cobaringの若返る健康法を伝授!

伝統的な日本型食生活を腹八分目食べることで瘦せられるばかりか健康を維持することができる簡単で経済的な若返る健康法です。

なぜ歯周病になるのか

参照動画 吉野敏明チャンネル~日本の病を治す~「なぜ歯周病になるのか」

 

なぜ歯周病になるのか

歯槽膿漏

以前は歯槽膿漏と呼んでいた。歯茎から膿が漏れるという症状だからです。
突発性難聴や飛蚊症とかと同じで漠然とした病名だったのです。
なぜその歯周病のことを歯槽膿漏と言っていたかというと原因が解らなかったからです。
歳を取ると歯がグラグラしてきて歯茎から膿が出てくる。これは老化現象ではないかという風に長く言われてきたのです。
ところが科学が進歩して口の中のバイ菌が培養できるようになってくると歯と歯の間というのは歯周ポケットという隙間があり、生理的な隙間は1㎜から多くて2㎜ぐらいです。この場合だと変なバイ菌が増殖しないのですが、3㎜とか4㎜ぐらいになると嫌気性菌が増えてくるのです。
更に5㎜ぐらいになると嫌気性菌が激増するのです。
逆に好気性菌の多くは虫歯の原因になるバイ菌などが該当し、所謂虫歯菌というのは砂糖を餌にするのです。


甘いものを食べているとそれが歯の表面に付いて砂糖を食べて、乳酸を排泄するのです。
歯の表面が乳酸で溶けて穴が開くというのが虫歯です。
深いところに入ったら砂糖が入ってくるかというと入ってくることはなく、血液とか歯肉そのもの、蛋白質などを餌にします。

例えばコラゲナーゼ(Collagenase)というコラーゲンを分解する酵素が骨を溶かします。
ジンジパイン(gingipains)という酵素は歯肉に穴を開けます。

こういった蛋白分解酵素などや骨を分解するような酵素を出して、その歯周組織を破壊するのです。
歯周組織というのは歯肉と歯槽骨とセメントというものですが、こういったところを壊すのです。
歯周組織を壊す病気だから歯周病というのです。
歯周病菌が生きるために歯周組織を破壊して血液中の鉄分が必要であったりとか、血液そのものを養分にしてバイ菌が増殖すると本来であったら死んでしまった動物が腐敗するような現象が生きている我々の歯と歯茎の間で起こっているのです。これが進行すると最終的に歯が抜け落ちてしまうのです。
歯周病の怖いところは歯周に止まらず、全身疾患との関連が極めて強い病気なのです。
なぜ嫌気性菌が増えるかというと2つの理由があるのです。


1つは全然歯を磨かない人。或いは磨けているつもりになっている人。或いは歯の表面だけ磨いているけれど歯と歯の間とか歯と歯茎の際だとかデンタルフロスというのを使わないと取れないところを一切やっていないとかという人は累積して多くの菌が増えてくるのです。そして炎症がだんだん強くなってくると少しずつ中に入ってくる確率が高くなり慢性的に10~20年とかになると悪いバイ菌も繁殖してきて歯周病が進行するというのが一般的な場合です。
感染症なのですが、実際は生活習慣病なのです。
歯磨きが正しくできていないとこういった歯周病にかかってしまうのです。
これは歯科医院に行って歯ブラシ指導、口腔清掃指導をしてもらい、初期の歯石ならば超音波などで取り除いてもらい、口の中をできるだけ綺麗にしておくことが大事です。

歯石

歯石というのは唾液中のカルシウム成分が汚れと一緒に結合して硬くなってしまう現象なのです。
また炎症が強いところに必ずカルシウムが沢山付くのです。
腎臓結石とか胆嚢結石とかも同様なのです。炎症があるとカルシウムが沈着しやすくなるのです。

特に舌下腺とか顎下腺というのが口から出ますが、下の歯の内側には歯石が付きやすいですし、第一大臼歯の辺りというのは歯石がとても溜まりやすいのです。
きちんと指導を受けて付いている歯石を取っておけばほとんど進行することはありません。

感染症の歯周病

ところが本当の感染症の歯周病というのもあるのです。
いわゆる歯周病菌の悪玉菌です。骨をものすごく溶かすバイ菌とか歯肉をものすごく出血させるバイ菌ですとか、他にも運動性桿菌といってうがい薬とか消毒薬とかを使用しても逃げてしまい、イソジンやリステリンなどで表面だけ綺麗にしても深いところに逃げていくためより一層悪くなるようなバイ菌がいるのです。
こういう歯周病は感染症なのです。性感染症のように梅毒とか淋病のように保菌している人同士が性行為をするとうつるのが性病ですが、歯周病は専門的にいうとポルフィノモナス・ジンジバリス(Porphyromonas gingivalis)とかアグリゲイティバクター・アクチノミセテムコミタンス(Aggregatibacter actinomycetemcomitans)とかトレポネーマデンティコーラ(Treponema denticola)などがあるのですが、これらのバイ菌はいつうつるかなのです。
感染の窓インフェクショナルウインドウ(Infectional window)といって窓が開いているときだけ感染するのです。


これは大体6歳前後なのです。というのは乳歯というのは歯がないところに生えてくるわけなのですが、特に下の歯の前歯が相当しますが、生え出してくると白く透けて見えます。やがて突き破って歯が出てきます。ところが歯の表面にはエナメル上皮といって皮膚のようなものがあるため、ずっと皮膚のようなものと繋がっているのです。それが歯が生えきったところで止まると歯の表面に皮膚と同じようなものがあり、それが歯肉と繋がっているのです。
ところが徐々に上皮とかが取れてくると、このエナメル質の一番下のところと歯肉という上皮が密着しているのです。これをヘミデスモゾーム結合(hemidesmosome junction)というのですが、上皮と上皮の結合なのです。
上皮の結合が壊れているというのは胃に穴が開いている胃潰瘍のような状況と同じ皮膚に穴が開いてる、いわば怪我をして中の筋肉が見えたりとかしているような状況なのですが、乳歯のときというのは上皮の欠落がないので当然歯周病にならないのです。虫歯になっても歯周病にならないのです。
嫌気性菌という空気のない細菌というのが増えることができないのです。
乳歯で歯周病の人というのは余程特別な場合でないとありません。
ところがこの乳歯が生え終わったら後から永久歯が生えてくるわけです。永久歯は乳歯に比べてものすごく硬く、カルシウムの結晶度が高いのです。逆に乳歯は弱いので当たってくると吸収されてしまいます。最後の最後になると乳歯の根っこがなくなって、頭だけがポロンと取れる状況になります。
乳歯が根っこから抜けないのはそういった理由があるからです。歯の頭だけが取れる。そうすると上皮が欠落があります。乳歯が抜けるときは必ず出血します。胃潰瘍と同じような状況になっているのです。
血を好む細菌とか蛋白質を分解するのを好む細菌とかがへばり付くのです。もっとも、そのバイ菌がいなければ歯周病菌が棲むことはありません。
ではその歯周病菌は誰からもらっているのかというと、多くの場合は母親であったり、祖母であったりしたのです。歯周病菌をもった人が十分咀嚼できない子供に代わって噛み砕いたものを与えたりすることで5~6歳ぐらいに伝染していくのです。
こういう歯周病になった人を若年性歯周炎といいます。
大体6~8歳で歯周病が進行した人で最初に生えてくる歯というのは下の歯の前歯です。その次が上の歯の前歯なので、そこに局限して歯周病が起こります。
小学生の1~2年生ぐらいで、或いはその次ぐらいに大臼歯というのが後ろに生えてくるのです。そこにも同じように感染して第一大臼歯と前歯というのだけが特異的に歯周病が悪いというのを局限型若年性歯周炎というふうに昔は言っていました。
全部乳歯が抜け落ちてしまい、次に永久歯が生え揃ってしまうと、一旦歯周病は止まります。それは血液が出る状態ではなくなるからです。
次にどうなるのかというと、親知らずが生えてくる時に同じような状況になるのです。20代後半から30代前半ぐらいで急に歯周病菌が増殖を始めるのです。これを急速進行性歯周炎といいます。アグレッシブペリオドンタイティス(Aggressive Periodontaitis)と英語では表現します。
先程の局限型若年性歯周炎はローカライズドシュベナールペリオドンタイティス(Localized juvenile periodontitis )といいますが、これらの歯周病になると歯周病に感染したということなのです。
例えば父親や母親といった親御さんが歯周病ですと子供が5~6歳ぐらいの乳歯が生え変わるときは、特に気を付けなくてはならないのです。目を離した隙に歯周病まみれの祖母に歯周病菌に汚染された食べ物やスプーンで食事をを与えられていないか注意する必要があります。
こんな話もあります。人間から歯周病菌が犬に感染して歯周病になることはないのですが、預けられた保菌犬から人間の歯周病が感染したということがありました。
或いはプロバンド(proband )という考え方で、パートナーの片方が重症な歯周病菌を持っていて片方がうつらない例があります。
嫌気性菌は増えることができないが、あるパートナーが重症な歯周病菌を持っていた場合、歯磨き不足でポケットが深くなっている人は感染してしまいます。
この元の人のことを医学用語でプロバンドといいます。
このプロバンドについての研究が1980~1990年代に沢山出ていて吉野先生の専門分野でいくつかの著書も上梓されているようです。
細菌を調べるために昔は培養していましたが、非常に高度であるため簡単に調べることができませんでした。
そこで開発されたのがPCR法だったのです。それを1999年から日本で最初に医師・歯科医師も含めて臨床に導入して自由診療でしかできないため始めることにしたのです。
学会発表だけで54回も行ったそうです。そこから教科書を作った経緯がありました。
結局歯周病というのは手入れ不足でなっているものと感染症のものとがあるということなのです。
つまり自分がもし感染症の場合は当然人にうつす可能性があるので、交際したり結婚したりする前に治療し、或いは保存できない歯でしたら抜歯して歯周病菌がいない状態にしてパートナーに感染しないようにしてあげれば子供にうつす可能性がなくなります。
また身内に歯周病の人がいる場合はスプーンなどを共用しないように制限をかけることで感染を回避できる可能性が高まります。
因みに空気感染や飛沫感染はしません。嫌気性菌というのは空気に晒されるとうつらないからです。
所謂濃厚唾液接触でうつるのです。フレンチ・キス程度ではうつりませんが、ディープキスですとうつります。
ただ先程も触れましたが、相手の空気が嫌気性歯周病菌が増えないような環境であれば、容易にうつることはありません。
ところが家族内でも濃厚唾液接触を頻回に繰り返すような環境というのは基本は恋人や夫婦といったパートナーです。
同性同士でも起こり得ます。そうならないような研究とかDNAでの検査の仕方というのを吉野先生はずっと続けてきたそうです。

上医・中医・下医の治療

上医・下医の治療の話になりますが1980年代の下医の治療だと「歯周病菌を抗生物質で叩きましょう」という話になります。
吉野先生の行ったPCR検査或いはDNAブローブというDNAで調べる方法です。
遺伝子的には細菌を培養する方法でも良いのですが、該当する菌が判明したら抗生剤で叩くという除菌方法かポピュラーになったのです。
とはいえ原因を除去しなければ再び細菌は繁殖するのでキリがないのですが、免疫力が低いことを理由にしてくる人がいるのです。
歯周病菌をやっつける抗体や白血球が出せない、一番多いのが糖尿病です。
歯周病と糖尿病はとても関係があり、歯周病になるとIFN-γとかTFN-αという物質を出すのですが、これらの物質が出ると膵臓のランケゲルハンス島を攻撃し、インシュリンを出にくくしてしまうのです。
これによって糖尿病が進行し、糖尿病が進行すると出血しやすくなるので、また歯周病も悪くなるという連鎖反応が起きてくるのです。
それで吉野先生は一型糖尿病治療専門医という資格を持っているそうです。この資格は歯科医師の中では非常に希少でインシュリンを処方したりすることも可能なのです。
そのように全身疾患を診るようになると、或いは歯周病とかになるとジンジパインとかコラゲナーゼとかで蛋白分解酵素を出すような歯周病菌がいると血管内にその歯周病菌が入ってくるのです。
特にポフィノモナス・ジンジバリスという細菌が血管内に入ってくると細菌性の心内膜炎とかいうのを作ったりとかアテローム性動脈硬化を起こすのです。
高血圧症とか脳梗塞とか心筋梗塞とか心不全が増える
のです。
実際、重度の脳循環系疾患の患者の人を吉野先生が大学に所属し、急性心筋梗塞について研究しているときに、その病で運ばれてきた患者を採血すると歯周病菌が抹消血から出てきたそうです。当時の名前でアクチノバシラス・アクチノミセテスコミタンスというバイ菌がいて、この菌の保菌者は急性心筋梗塞が多いのです。これは歯周病菌でない人の4倍にも及びます。
或いは脳腫瘍といって脳脊髄関門を超えてでも歯周病菌が入ってしまうことが稀にあります。5~20年歯周病を患って放置しているとそうなることがあるのです。
或いは歯周病が進行すると出血するので歯肉の出血を止めるためにプロスタグランディンE2(Prostaglandin E2)という物質を出して毛細血管を縮めるのです。これはそもそも陣痛促進剤のため、早産とか低体重出産を惹き起こしやすくなるのです。
歯周病ポケット4mm以上あるものを何部位か有している人と喫煙者や飲酒常習者のいずれが早産・低体重出産が多いかという研究では歯周病患者が一番多いという研究結果を得たのです。
吉野先生が歯科医師でありながら全身のことを語るようになったかというと、こういった研究を長く続けてこられたからだそうです。
原因を除去するということは、もともと吉野先生の家業が東洋医学の治療がそのまま東洋医学の治療だったからだそうです。
実際に例を挙げると、糖尿病患者の歯周病の手術をする際に血糖値を下げなければならないが、インシュリンで下げようとしてもIFN-γとかTFN-αが膵臓からも出るので本当に食事療法からも糖尿病を改善してそういった免疫物質が出ないようにしてから手術を受けるのが望ましいのです。
歯周病の治療をするために高血圧や糖尿病の治療をしておかなければならないとか、或いは流産を繰り返している人に、流産させないように歯周病の治療をさせるということを吉野先生が26~27歳の時にこうした治療を始まりとなったそうです。
これらの治療は全部保険ではできず、医師と歯科医師の境界について話されたことがありますが、原発が口腔内であればどこまでも追求できるので、歯周病の治療をするのに糖尿病の治療に介入することが法律的にできるのです。同様に歯周病治療をするのに不妊治療に介入できるのです。脳梗塞や心筋梗塞、くも膜下出血の治療についても同様なのです。
こうして吉野先生は色々なことを見るようになったと語っていました。
歯周病は歯を失ってしまうだけの病ではないのです。
歯がぐらぐらしていたので歯磨き指導をしたり、ぐらぐらしないように歯と歯を繋げるというのは下医の治療です。
歯周病が全身疾患と関連するということで脳梗塞や心筋梗塞などの治療を行い、両方からアプローチすることで患者のQOLを上げるというのが中医の治療です。
それを政治家として広めるようにするのが本当の上医の治療なのです。
吉野先生は今は癌の治療が多いそうですが、その背景には原因除去療法による治療が歯周病の治療と同じであることから癌の治療に介入することになったのです。
歯周病は自分で鏡を見たり触れたりすることができる部位ですから、健康は口元から始まるということなので、歯周病について勉強してほしいと仰っていました。